「境涯」を広げるには「人間関係」を広げる

ある人が言っていた。「組織が整うと幹部が小粒になる」と。たしかに、そうかもしれない。それを打ち破るために、私は「手づくりで」人材を育てている。
 「境涯を広げる」には、どうすればいいか。それには「人間関係を広げる」ことである。
 ゆえに、幹部一人一人は「人間と結合する」ことである。会員とつながり、人間とつながってこそ本当の幹部である。一人で威張っている。一人で号令をかけている。そんな格好が幹部なのではない。
 また、組織を嫌い、だんだん閉鎖的になり、一人になり、それで自由だと思っている――こういう人は、どこか調子が狂ってくる場合が多い。
 先日もあるテレビで「たくさん友人をつくれ。その人が一番成長でき、社会のためになり、よき人生になる」と紹介されていた。大事なのは「人間と人間のつながり」である。「人間と人間の打ち合い」である。
 内外の多くの人々と結び合い、付き合っていくことである。その人は、その分だけ生命が広がる。豊な人生になる。
【1997-07-09/東京牧口記念会館】

 私は、歩いているとよく道を尋ねられる。大体5m以内に近づくと「来る」気を感じる(笑)。他に人がいても、なぜか私のところにやってくる。普段は、のんびりとした人畜無害の顔つきなのかなあ。歩くのが嫌になる時もあったほどだ。
 仕事柄、色々な業種の方と会う機会が多い。同じ価格、性能の商品がいくつかある場合、私の購入する動機は、最後は先方の担当者の人柄による。誰の紹介であってもだ。
 また会って話しを聞こうという気にならなければ、会うこと自体が苦痛になる。
 何度会っても、打ち解けない、よそよそしい人もいる。(勿論、礼儀作法は当然としてだ)反対に、一度しか会ってなくても、次からは友人のように感じる人もいる。
 結局、会う人の姿・形ではなく、その人の心を感じ取ってしまうのだ。
 より沢山の人と会うことが、自分を強くする。力になる。
 人と会うのが苦手という事を聞くが、苦手だからこそ、修行というものだ